このまま放置すると下顎骨折を起こす可能性がありました。

2019/1/22

[歯がグラグラしている]
歯周病は気付いた時にはかなり進行してしまっていることが多い病気の1つです。
放置すると顎が折れることもある怖い病気です。
大切なワンちゃんや猫ちゃんの歯を守るためにも家庭でも口腔内を確認する習慣をつけ、異
変に気づいたら早めに動物病院に相談して下さい。

動物の種類:犬

犬種・猫種:ダックスフント

処置日:2019/01/22



歯面全体を覆うように歯石が重度に付着しています。
歯茎も赤く腫れ、歯石に接触している部位の頬側粘膜も炎症を起こしています。(青丸部)

 

右下も歯石が付着し、奥歯部分の歯肉が後退しています。
写真では分かりにくいですが、歯石が接触している舌も炎症を起こしています。(青丸部)

 

上の前歯にも歯石が付着し、歯肉が腫れています。

 

下の前歯は歯肉が赤く腫れ、歯が少しグラグラしていました。

 

歯石除去が終わったところです。犬歯と奥歯の歯肉が後退しています。
歯周ポケットの測定や歯科レントゲン等の検査を行ったところ、犬歯口蓋()側の歯槽骨融解が重度で口と鼻が繋がっている状態でした。(口鼻腔瘻)

 

口鼻腔瘻の原因となっている犬歯と歯周病によりかなりグラグラしている奥歯を抜歯しました。
犬歯部には膿が多量に溜まっていたため、丁寧に何度も洗浄をしました。
その後溶ける糸で縫合しました。

 

青丸部分はもともとぐらついていたのですが、歯石を除去すると抜けました。
この部分にも膿が溜まっていたため、洗浄し縫合しました。

 

上の前歯は歯肉の炎症は強かったのですが、歯槽骨が比較的融解していなかったことと飼い主さんの希望により、歯周フラップという方法にて歯根部の清掃を行い温存しました。
下の前歯は歯石を取るとグラつきがひどく、歯槽骨の融解もかなり重度であったため、抜歯しました。


あと1、2年放置していたら下顎結合が離開し下の左右の顎がバラバラになったり、下顎骨折を起こしていたと思われます。
歯周病は気付いた時にはかなり進行してしまっていることが多い病気の1つです。
大切なワンちゃんや猫ちゃんの歯を守るためにも家庭でも口腔内を確認する習慣をつけ、異変に気づいたら早めに動物病院に相談することをお勧めします。

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