猫の歯の病気

ねこちゃんがかかりやすい主な歯の病気を紹介します。

尾側口内炎

尾側口内炎とは

猫の口腔内に起きる過剰な免疫性の炎症のことです。
細菌やウイルス、免疫異常が関与していると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

治療方法

全顎抜歯
すべての歯を抜きます。
全臼歯抜歯
全ての奥歯を抜きます。
抗炎症剤、免疫抑制剤、抗菌剤
薬で対症療法を行います。
CO2レーザー
レーザーで炎症組織を焼烙します。

歯周病

歯周病とは

3歳以上の猫の約80%、7歳以上の猫ではほぼ100%が歯周病に罹患していると言われています。
初期の段階ではほとんど症状がないため、気付いた頃には進行していることが多い病気です。
食欲不振や出血などの症状が出てきたときは、すでに重篤の場合が少なくありません。
歯周病を放置すると、歯の周囲の骨が溶け、歯を失う可能性が高いです。
重度の歯周病では目の下に膿が溜まって腫れたり、皮膚が裂けて膿が出たり、顎が折れることもあるので、早期に診断・治療することが重要です。

歯周病は、歯周組織(歯を支えている骨や歯肉)の病気です。
歯を家に例えると、地面が歯周組織です。
歯周病とは地面がぬかるんだ状態になることです。
たとえ家がしっかりしていても、地面がぬかるんでいては、家は倒壊してしまいます。
同様に、歯周病では、歯を支える歯槽骨が溶けていき、最終的には歯が抜けてしまいます。

歯垢が石灰化すると歯石になります。(※歯石は歯みがきでは除去することができません。)
歯石が付着すると歯垢が更に付着しやすくなり、歯垢中の歯周病菌により炎症がおきます。
炎症で歯肉が腫れると歯と歯肉の間に隙間(歯周ポケット)ができます。
この炎症が奥深くまで進むと、歯を支える歯根膜や歯槽骨が破壊されてしまい、放っておくと最終的に歯が抜けてしまいます。

症状

次の項目にあてはまるものはありませんか?一度チェックしてみましょう。
  • ・ブラッシングすると血が出る
  • ・歯ぐきが赤く腫れている
  • ・硬いものを食べなくなった
  • ・歯を押すとグラつく
  • ・口臭がする
  • ・歯茎から膿が出ている
これらの中で一つでも当てはまる項目がある場合、歯周病の可能性が高いです。
早期の検査・治療が必要です。

治療方法

スケーリング
超音波を利用した機械により歯石を除去します。
ブラッシングでは除去できない汚れをきれいに取り除きます。口臭の改善、着色除去効果が期待できます。
ルートプレーニング
ルートプレーニングとは、歯周ポケット内の歯根面の汚れなどを除去して、歯根面を滑らかにすることです。
GBR法:骨組織誘導再生法
歯槽骨が再生するスペースを作る方法のひとつです。歯槽骨再生のスペースに、移植骨や骨代替材などを充填することにより、骨の強度や密度を向上することができます。
エムドゲイン法
エムドゲイン法は、歯周ポケットを綺麗にした後、エムドゲインゲルを注入して歯周組織を再生させる治療法です。
エムドゲインは、ヒト医療では世界中に普及しており、感染症などの報告がなく、安全で治療効果が高いとされています。
レーザーを使った歯周病治療
当院では、炭酸ガスレーザーを使った歯周病治療も行っています。レーザーで歯周ポケット内を殺菌することにより、歯肉の腫れや痛み、出血を抑えることができます。

破歯細胞吸収病巣

破歯細胞吸収病巣とは

破歯細胞により歯の硬組織が吸収されてしまう病気のことです。

治療方法

抜歯
吸収されてしまった歯を抜きます。
歯冠切断術
骨性癒着により抜歯できない場合は歯冠切断術を行います。

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