処置の流れ

歯科処置の流れ

ヒトの場合は、患者自身が処置椅子に座り、口を開けてくれるため無麻酔でも歯科処置が出来ます。
しかし、動物の場合は、痛みや器具の音に驚いて動いてしまうため、無麻酔で歯科処置を行うことは危険です。
実際、無麻酔で歯石除去をしようとした結果、「歯肉や舌を切って出血した」、「処置後怯えてしまい触らせてくれなくなった」などのトラブルが全国で発生しています。
そのため、当院の歯科処置は全身麻酔下で安全かつ正確な処置を行っております。
麻酔下で手早く処置をすることにより、ストレスなくスムーズに処置を終えることが出来ます。
※日本小動物歯科研究会、アメリカ獣医歯科学会でも全身麻酔下での歯科処置を推奨しています。

当院での歯科処置の流れ

1、絶食・絶水

処置日の0時以降は絶食となります。朝ごはんやおやつなど与えないようお気を付けください。
お水については、朝6時以降は絶水とし、飲み物などを与えないようにしてください。

2、来院(9:00~10:30)

処置の前に診察や検査を行いますので、上記の時間にご来院し、受付をお済ください。

3、診察およびお預かり

診察し、問題がなければお預かりいたします。

4、術前検査

処置には、麻酔を使います。
ワンちゃん、ネコちゃんの安全性を考慮し、全身麻酔を行えるかどうか調べるために、血液検査とレントゲン検査を行います。
術前検査での詳しい処置の流れです。
プロービング(歯周ポケットのチェック)
歯周ポケットの深さを測定したり、歯肉の炎症程度や根分岐部(歯根の分岐)病変を調べます。
レントゲン検査結果などと併せて総評し、処置の方法など決めます。
歯が欠けたりしていないかチェック
エキスプローラーという先端の尖った器具を用いて、歯の表面の凹凸や歯垢・歯石の付着状態、破折、露髄(歯の神経が露出すること)、虫歯、破歯細胞吸収病巣などの確認をします。
レントゲン検査(歯槽骨の状態の確認)
肉眼では見えない歯根部や歯槽骨などの状態を確認します。
特殊なライトによる歯石チェック
当院では歯石除去後に特殊なライト(歯石が赤色に光ります)を用いて、微細な歯石の取り残しがないかどうかを確認しています。

5、処置

処置には、歯科用のレントゲンで撮影し、スケーリングしている様子、抜歯している様子。処置はすべて歯科用のキットで行っています。
全身麻酔下でモニターで心拍などを確認しながら、安全かつ負担の少ない処置を行います。
処置での詳しい処置の流れです。
スケーリング(歯垢・歯石除去)
歯肉縁上(歯肉に覆われていない部分の歯)に付着した歯垢・歯石をスケーラーと呼ばれる器具で除去します。
ルートプレーニング&キュレッタージ(歯周ポケットの清掃と不良歯肉の除去)
歯周ポケットが深い場合には、歯周ポケットの内部も清掃します。
ポリッシング
スケーリング後の歯は肉眼では綺麗ですが、顕微鏡で見ると歯面は粗造になっており、歯垢・歯石が再付着しやすい状態になっています。
そこで、ポリッシングブラシに荒研磨用の研磨剤をつけて表面を磨きます。
ラバーカップに仕上げ用の細かい研磨剤をつけて再度表面を磨きます。
ポリッシングを行うことにより、表面が滑らかになり、歯垢・歯石が再付着しにくくなります。

6、お迎え17:30~18:00

処置が完了し、麻酔が切れ特に状態に問題がなければ、お家に連れて帰れます。
※状態によっては、そのまま入院して頂く事もあります。
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