2019/2/18
歯周病により骨融解が進むと、顎を切除しないといけないこともあります。動物の種類:犬
犬種・猫種:チワワ
処置日:2019/02/18
左上の歯は奥以外ほぼ抜けていました。
左下も犬歯と奥以外ほぼ抜けてしまっていました。
また残っている歯もほぼ歯面全面が歯石で覆われていました。
また歯肉も赤く腫れていました。
右上も奥以外ほとんど抜けており、残っている歯もグラグラしていました。
また、歯を触ると中から膿が出てきて歯根膿瘍の状態でした。
右下は比較的歯が残っていますが、この歯もほとんどグラグラしていました。
前歯は肉眼上右下に1本だけ確認できますが、残りの前歯は肉眼上確認出来ません。
また、顎骨が歯周病により溶け、触診でも分かるレベルまで細くなっています。
残っていた歯を抜き、中に溜まっていた膿を洗浄して縫合しました。
左下の歯も全て抜歯しました。
犬歯部分の顎骨はかなり薄くなっていたため、抜歯時に骨折させないように慎重に抜歯しました。
抜歯後レントゲンで確認したところ犬歯部の顎骨は1〜2mmしかありませんでした。
今後は衝撃などを与えないようにして骨折を予防する必要があります。
右上の歯も全て抜歯しました。
右下の歯も全て抜歯しました。
処置前に歯科レントゲンで顎骨の状態を確認したところ、前歯〜右下の犬歯部(犬歯は歯周病により既に抜けていました)の骨は完全に溶けて、折れていました。
運良くこの部分の歯肉がしっかりしていたため、歯肉で固定されていました。
骨がないため、しばらくは缶詰などの柔らかい食べ物をあげる必要があります。
レントゲンで確認しても上の前歯は認められませんでした。
レントゲンで確認したところ歯肉内に前歯が埋没していたため、
歯肉を切開して抜歯しました。
歯周病により歯槽骨が重度に融解し、骨折していました。
運良く骨折部の歯肉等の周囲組織がしっかりしていたため固定されていました。
しかし、全体的に顎の骨密度は低下し、細くなっていたため、他の部位も骨折するリスクがあるため、注意が必要です。
骨融解が進み歯肉の炎症もひどければ、顎を切除しないといけないこともあります。
歯周病は気付かない間に進行する病気なので、早期発見・早期治療が非常に重要となります。
ご家庭でもお家のワンちゃん・ネコちゃんの口腔内を確認する習慣をつけ、異常があれば早めに動物病院に相談するようにしましょう。