2019/3/1
歯周病がひどくなると口腔鼻腔瘻という状態になることがあります。動物の種類:犬
犬種・猫種:トイ・プードル
処置日:2019/03/01
処置前の写真です。
上顎犬歯部の歯肉は後退し、歯根が露出して、歯石が付着しています(赤丸部)
指で触るとかなりグラグラしていました
下顎犬歯部も上顎と同様でした(赤丸部)
下の奥歯は歯根膿瘍の状態になっており、歯肉を指で押すと膿が出てきました(赤矢印)
前から見た口腔内の写真です
下顎犬歯の舌側(内側)に大量の歯石が付着しています(赤丸部)
犬歯抜歯後の写真です
口と鼻を隔てる骨が溶けて、口腔鼻腔瘻という状態になっています(赤丸部)
ここの穴を通って食べカスやばい菌が鼻に侵入し、鼻腔内に海が溜まっていました。
炎症部の粘膜や鼻腔内の膿を徹底的に除去し、粘膜を引っ張ってきて、先程の穴を塞ぎました
この処置により、食べカスや口のばい菌が鼻腔内に侵入することを防げます
細い透明の溶ける糸で縫合しました(赤丸部)
下顎も上顎同様抜歯後、抜歯窩に溜まっていた膿を掻き出して洗浄し、縫合しました(赤丸部)
反対側も同じ状態だったので、同様の処置を行いました
口腔鼻腔瘻になると鼻血や鼻水、くしゃみが止まらなくなることがあります
早期に治療した方が処置も容易で、治りも早いです
お家のワンちゃんが鼻水や、くしゃみをしているようであれば口腔鼻腔瘻の可能性もあるので、一度動物病院で口腔内を診てもらいましょう。