2019/2/22
口腔鼻腔瘻になると抜歯が必要になります。動物の種類:犬
犬種・猫種:トイ・プードル
処置日:2019/02/22
左上に全体的に歯石が付着していました。
歯肉の炎症はそれほど強くなさそうでした。
また、奥歯が折れていました。(赤丸部)
左下の唇側(外側)にも歯石の軽度付着が認められました。
上の前歯にも歯垢・歯石が付着していました。
また、下の犬歯の舌側に重度の歯石付着が認められました。(赤丸部)
下の前歯には重度に歯石の付着が見られ、触るとグラグラしていました。
口蓋側(上顎の内側)にも歯石の付着が認められました。
向かって右側が歯石除去済み、左側が処置前の状態です。
犬歯口蓋側(内側)は骨が溶けて、歯周ポケットが出来ていました。
粘膜をめくって歯周ポケットを露出して綺麗に清掃後、粘膜を吊り上げてポケットを覆うように縫合しました。
犬歯舌側(下顎の内側)の歯石除去後の写真です。
歯石除去後に犬歯舌側を観察すると骨が溶けて大きな穴が出来ていました。(赤丸部)
破折歯の歯根部は感染しており、歯根膿瘍を形成していました。
温存は困難であったため抜歯して洗浄し縫合しました。
下の歯の外側は歯周ポケットもなく良好であったため、歯石除去と研磨のみ行いました。
上の前歯部の歯槽骨は予想していたよりも良好であったため、上の前歯は温存しました。
しかし、歯周ポケットが形成され始めていたため、歯根部の歯垢・歯石、不良歯肉を除去し歯肉を歯に圧着するようにして縫合しました。
下の前歯は歯槽骨の融解が重度の部分は抜歯しました。
また下の犬歯部も上の犬歯部同様の処置をしました。
しかし骨欠損が重度であるため、今後骨移植や再生療法が必要になる可能性があります。
上顎犬歯の口蓋側(内側)部分の歯周病が進行すると鼻と口を隔てる骨が溶けてしまいます。(口腔鼻腔瘻という状態)
口腔鼻腔瘻になると抜歯が必要になります。
早期であれば抜歯せずに済む可能性もあるので、口臭や歯石の付着など口腔内に異常があれば早めに動物病院に相談するようにしましょう。