推測に反して歯石除去と研磨による治療のみで済みました。

2018/12/11

[口が臭い]
肉眼所見と実際の歯周病の重症度は一致しないことがあります。
今回は一見すると悪そうだが軽度歯周病だったので、歯石除去と研磨のみで済みました。
逆に一見問題なさそうでも重度歯周病であることもあるので注意が必要です。

動物の種類:犬

犬種・猫種:ヨークシャーテリア

処置日:2018/12/11



歯茎が赤く腫れてやや後退しています。
また茶色い歯石が歯の表面の半分以上覆っています。

 

 

左下犬歯部には歯石は付着していませんが、奥歯にたくさん付着しています。
また歯肉も軽度後退しています。

 

 

上の前歯には軽度歯石付着が認められます。

 

 

下の前歯は一番端を除いてほとんど歯石の付着は認められませんでした。

 

 

歯石を除去したところです。
茶色い歯石が取れて、白い綺麗な歯が見えるようになりました。
犬歯部尾側の歯肉の軽度後退が認められます。
歯周ポケットや歯槽骨の融解はなかったため、表面をピカピカに磨きあげて左上の処置は終了です。

 

 

左下の奥歯の歯肉の軽度後退は認められるものの、上顎同様歯周ポケットや歯槽骨の融解はなかったので、研磨をして左下の処置も終了です。

 

 

上の前歯部も歯石の付着以外問題なかったので歯石除去と研磨のみ行いました。

 

 

上の前歯部も歯石の付着以外問題なかったので、歯石除去と研磨のみで治療終了です。
今回は歯石がたくさん付着しており、歯肉の後退も認められたため、抜歯や歯周ポケットの清掃等が必要と推測していました。
しかし、実際に歯石を除去してみると歯周ポケットはほとんど認められず、レントゲン検査で骨融解も認められませんでした。
このように肉眼所見と実際の歯周病の重症度は一致しないことがあります。
今回のように悪そうに見えて軽度だった場合は良いのですが、問題なさそうに見えて重度歯周病であるケースもあるので注意が必要です。

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