重度歯周病の治療のため全抜歯を実施しました。

2019/2/4

重度の歯周病では顎が溶けて細くなり骨折するリスクがあります。
最悪の場合、顎を切除しなければならないこともあります。
歯周病は予防歯科により進行を防ぐことができる病気です。
ワンちゃん・猫ちゃんの口腔内を確認して、口臭がしたり、歯石の付着が認められたら早めに動物病院に相談されることをお勧めします。

動物の種類:犬

犬種・猫種:トイ・プードル

処置日:2018/02/04



上顎の歯面全体を歯石が覆っています。
歯肉も赤く腫れ上がり、歯肉の後退が見られます。

 

下顎も同様です。
特に犬歯部の歯肉後退が顕著に認められます。
写真ではわかりにくいですが、犬歯は触るとかなりグラグラしていました。

 

上の前歯です。
既に4本抜けてしまっています。
残っている前歯に関しても押すと膿が溢れ出てくる状態でした。

 

下の前歯は肉眼上確認できませんでした。
歯周病で既に抜けてしまったと考えられます。

 

歯科レントゲン検査を行ったところ、上顎の歯槽骨の融解が激しく、歯石を除去すると全ての歯がグラグラしている状態であったため全抜歯しました。

 

下顎も上顎同様、温存が不可能な状態であったので全抜歯を行いました。

 

写真では分かりにくいですが、歯周病による骨融解により上顎、下顎共に細くなっています。
今回歯周病の原因となっている歯を全て抜歯したため、次第に骨は再生すると思われます。
しかし、しばらくの間は骨がかなり細くなってしまっているので強い衝撃などによる骨折には注意が必要です。

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